リフォームコラム

リフォームコラム

キッチン悩みどころ徹底比較! ~ワークトップ&シンク素材について~

キッチンは家の中で、最も過酷な環境?

「コンロからの火や熱にさらされる」、「冷水や熱湯がかかる」、「油や様々な調味料がかかる」、「包丁を始めとした鋭利な調理器具が当たる」、「食器や調理器具が高い位置から落ちてくる」など・・・
キッチンでは日常茶飯事のことであり、住まいの中でも『最も過酷な環境』とも言えます。
 
その為、キッチンにおいては、
「耐熱性」「耐水性」「耐汚性」「耐傷性」「耐衝撃性」といった性能を備えた上で、
『美しくキレイに収納できる』、『片付けやお手入れも手軽にできる』、『楽しく料理できる』といった機能性も求められています。
 
無理難題にも思える要望に応えて、キッチンメーカーも様々な商品開発を進めてきた歴史があります。

 

 

キッチンの「5つ」の機能

キッチンは「料理をする場所」として、大きく分けて下記のような「5つの機能」が組合わされています。

<機能><具体的な部位><具体的な内容>
(1)加熱ガスコンロ/IHコンロ調理時の加熱
(2)換気換気扇/レンジフード調理時の熱・煙・ガスなどを室外へ
(3)収納各所収納調理器具・食器・食材・調味料などの保管場所
(4)作業場所ワークトップ(天板)調理時の作業場所/調理器具や調味料置き場
(5)水洗い/排水シンク(流し台)調理時の食材洗い・調理器具洗い

 

5つの中でも、特に 「ワークトップ(天板)」と「シンク(流し台)」 は、キッチンの性能や印象を大きく左右する重要な部位です。

 

ワークトップ(天板)とシンク(流し台)には、ステンレス素材しかない?

「ワークトップとシンクにはステンレスしかない」「大理石みたいなキッチンは見たことはあるが高級品でうちには入れられない」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は素材の改良やコスト面改善はかなり進んでおり、選択肢は広がっています。


また、キッチンリフォームについて色々と検討して調べられている方にとっても、最後の悩みどころは、「ワークトップとシンクの素材」という方も多いかもしれません。



本コラムでは、最新のキッチンワークトップとシンクには、どのような素材があるか、各素材の一長一短についてまとめさせて頂きます。
キッチンリフォームにおける素材選択の参考にして頂けたら幸いです。 

 

最高のキッチンワークトップとシンク素材とは? 

日本におけるキッチンは、明治時代末までは外履きのまま入れる土間スペースで、「食材の水洗いや調理場所の役割を果たす流し台」「加熱の役割を果たす竈(かまど)」に分かれていました。
それまでの流し台は、「木製の亜鉛鉄板張り製」や「人造石の研ぎ出し製」でしたが、大正時代になって初めて昭和31年(1956年)に「ステンレス製」の流し台が導入され始めて、その後昭和40年後半(1970年頃)にはシステムキッチンが登場し始めました。

そこから約50年経過した現在では、対面式キッチンの登場もあり、料理を作る場所から家族が集まる中心の場所になりつつあります。また、キッチンワークトップやシンクの素材もこれまでの木製、タイル製、ステンレス製以外にも、人工大理石や水晶石(高級人造石)、セラミックなどを使われた様々な素材も増えてきています。
 
実は、「最高のキッチン素材の答え」はまだ出ておらず、日々進化と競い合いが続いています。

2021年現在、キッチンメーカーで使用される代表的な素材をご紹介させて頂きます。

キッチンワークトップで代表的な「4つの材質」

項目ステンレス人工大理石
(人造大理石)
人造石
クオーツストーン
セラミック
素材イメージ金属(ステンレス)樹脂のみ/大理石+樹脂水晶石+樹脂陶器
(1)値段安価~中間中間~高価高価高価
(2)色デザインシルバー多様石目調など多様
(3)耐水性強い強い強い強い
(4)耐熱性強い
*フライパン直置き「つい、うっかり」程度は可能
やや弱い
*フライパン直置きNG
やや強い
*フライパン直置きNG
強い
*フライパン直置きOK
(5)耐傷性細かな傷はつきやすい
*表面加工により目立ちずらくなりつつあり。
ややつきやすい
*表面硬度により様々。
かなり強いかなり強い
*包丁直接OK
(6)耐着色性つきずらいややつきやすい
⇒素材により、油・調味料・洗剤など放置跡/日照変色発生あり。
つきずらいつきずらい
(7)耐サビ性強い(もらいサビすることあり)強い(もらいサビすることあり)強い(もらいサビすることあり)強い(もらいサビすることあり)
(8)シンク一体型ありありなし(ワークトップのみの素材)
*継ぎ目を減らす工夫あり
なし(ワークトップのみの素材)
*継ぎ目を減らす工夫あり
(9)取り扱いメーカー全メーカー取り扱いあり
(スタンダード~ハイクラスまで)
ほぼ全メーカー取り扱いあり
(スタンダード~ハイクラス)
特定メーカーのみ取り扱い
(主にハイクラス)
特定メーカーのみ取り扱い 
(主にハイクラス)
*各メーカーにより「素材加工」により、改良が進んでいます。メーカー別で特徴に差異もございます。

 

ステンレスの魅力は
「信頼ある強度とお手入れのしやすさ」

レストラン厨房の定番といえばステンレスのキッチン。

家庭のキッチン以上に、激しく料理に使われる場所になりますが、耐水性、耐熱性、耐衝撃性において十分な性能を満たしています。
また、ステンレスは鉄にクロムを混ぜて作られる合金の一種ですが、『不動態被膜』という、表面に傷がついても、空気に触れるとすぐに表面膜でコーティングされる性質があるため、金属であってもサビない性質(耐食性)を持っている為、長く綺麗に保たれます。幅広く利用される素材であり、建築関連の他、食器、調理器具、食品加工機器や医療分野にも活用されるなど、お手入れのしやすさと優れた衛生性能を備えた素材です。また、最もコスト面も優れた素材でもあります。

短所としては、ステンレスの柔らかさから、凹みやすい、傷は残りやすいといった点が挙げられますが、凹みや傷が目立ちずらいように、表面加工を行ったワークトップも増えています。


人工大理石(人造大理石)の魅力は
「色柄・模様のバリエーションとデザイン性」

「天然大理石」は、色や模様が豊富で、磨くと光沢が出ること、加工がしやすいことからから彫刻作品や屋内の建材として使用されてきました。
 
その高級感から、キッチンにも使われてきましたが、炭酸カルシウムが主成分の石の為、水に濡れてしまうとシミが出来て輝きが失われたり、酸性やアルカリ性の洗剤や調味料などに触れると表面が劣化する短所がありました。天然大理石の短所を補う為に開発されたのが、「人工大理石」や「人造大理石」です。
 
「人工大理石」は天然大理石を一切含まないもの、「人造大理石」は粉砕した人造大理石を含んだとものとされていますが、どちらもアクリルなどの樹脂を主成分とした素材で、大理石の様な柄や色合いを表現したものになります。色合いや模様など、バリエーションが豊かであるため、ステンレスの無骨さやシンプルさが物足りない方、内装の好みに合わせたコーディネートをしやすい素材です。
また、近年普及も増えてきたことからコスト面も改善が進んでいます。

短所としては、調味料などでシミが付く、フライパンを置いてしまうとすぐに色がつく、細かな傷がつきやすく色シミが目立つ、太陽光にあたると黄ばみが出てくるといったことが挙げられきていましたが、従来の人工大理石(人造大理石)と比べて素材改良も進められており、かなり改良は進みつつあります。

 

高級人造石(クオーツストーン/エンジニアドストーン)の魅力は
「キッチン最高レベルの強度を持ち、天然石のような質感と光沢ある美しさを持つ素材」

大理石調の素材で、高級人造石、クオーツストーン、エンジニアドストーンなど様々な呼び名もありますが、主に「天然水晶」を90%程度含む、天然石のような手触りがなめらかな質感、光沢がある美しさを残しつつ、天然石のシミや汚れがつきやすい欠点を樹脂で強度を補強されたような素材です。
天然石由来の硬さの為、包丁による傷もつきずらいような耐傷性にも優れた素材です。
 
短所としては、硬すぎる為に食器が割れてしまうことがあること、非常に重量があること、加工性が低いためシンク一体型には出来ないことが挙げられます。
一部メーカーのみ取り扱いを行っており、海外メーカーから輸入を行っている製品も多く、徐々に広がりつつありますがコスト面が課題となっています。

 

セラミックの魅力は
「キッチン最高レベルの強度を持ち、焼き物ならではの質感デザイン性に優れた素材」

焼き物素材のセラミック。現在、販売されている商品の中で、耐熱性、耐傷性、耐腐食性において、最も優れた製品と言えます。
熱したフライパンを置いても変色変形しない、まな板を敷かずに包丁を使っても大丈夫という強度を持つ素材です。

焼き物の質感、様々な色柄バリエーションも出ていることから、デザイン性も優れた素材です。
短所としては、高級人造石と同様に、硬すぎる為に食器が割れてしまうことがあること、加工性が低いため、シンク一体型には出来ないことが挙げられます。
また、一部メーカーのみで取り扱いを行っており、近年取り入れられ始めた素材のこともあり、コスト面が課題となっています。

 

キッチンシンクで代表的な「3つの材質」

<項目>ステンレス人工大理石
(人造大理石)
人造石
クオーツストーン
素材イメージ金属(ステンレス)樹脂/大理石+樹脂水晶石+樹脂
(1)値段低~中中~高
(2)色デザインシルバー多様単色(黒)・石目調など
(3)耐水性強い強い強い
(4)耐熱性強いやや強い
*熱の残った鍋などを直接置いても変色変形が起きずらく改良しつつあり。
やや強い
*熱の残った鍋などを直接置いても変色変形が起きずらく改良しつつあり。
(5)耐傷性細かな傷はつきやすい
⇒表面加工により目立ちずらい改良あり
表面硬度により様々
⇒加工により改良進んでいます
かなり強い
(6)耐着色性つきずらいややつきやすい
⇒素材により、油・調味料・洗剤など放置跡/日照変色発生あり。
つきずらい
(7)耐サビ性強い(もらいサビすることあり)強い(もらいサビすることあり)強い(もらいサビすることあり)
(8)ワークトップ一体型ありありなし(シンクのみの素材)
*継ぎ目を減らす工夫あり
(9)取り扱いメーカー全メーカー取り扱いあり
(スタンダードクラス~ハイクラスまで)
ほぼ全メーカー取り扱いあり
(ミドルクラス~ハイクラス)
特定メーカーのみ取り扱い
(主にハイクラス)

 

意外と見落としがち!~ワークトップとシンクの継ぎ目について~

ワークトップとシンクの素材を見て頂く中で、意外と見落としがちなのが、ワークトップとシンクの継ぎ目の部分。
どちらの同じ素材であれば、継ぎ目がなく、汚れが溜まりずらく掃除もしやすい仕様になります。

「ステンレス一体型」、「人工大理石一体型」の組み合わせのようにすることで、継ぎ目がない仕様にすることが出来ます。
また最近は別素材のものでも、可能な限り継ぎ目がなくなるような工夫も出てきています。

以上、キッチンリフォームにおいて、悩みがちな、ワークトップとシンクについてご紹介させて頂きました。
 
好みや生活スタイルにピッタリの素材を見つけて、お選び頂くことで、より快適で楽しいキッチンリフォームのきっかけになりましたら幸いです。

 

 

下記のチェックリストもご活用頂きながら、カスタマイズもイメージ頂けたら幸いでございます。
*メーカーにより取り扱いのない素材や機能などもございます。詳細につきましては弊社までお問い合わせ頂けたら幸いでございます。

キッチン選びチェックリスト

キッチン部位項目/種類
キッチン形状Ⅰ型(壁付け)・L型(壁付け)・U型(壁付け)
Ⅱ型(セパレート)・ペニンシュラ型(横1面のみ壁付け)・アイランド型(壁付けなし)
サイズ 
・間口
・奥行
・高さ
間口mm(1650/1800/1950/2100/2250/2400/2550/2600/2700/2850)
奥行mm(600/650)
高さmm(800/850/900)
*メーカーにより異なる場合もあります
天板素材(ステンレス/人工大理石/人造石クオーツストーン/セラミック)
キッチン躯体素材(木製/ステンレス製)
素材(木製/ステンレス製/表面撥水加工)
カラー(色・模様・質感)
扉取っ手形状(つまみタイプ/ハンドルタイプ/レバータイプ)
シンク下収納扉形状(開き扉/引出し)
機能(収納ポケット有無/食洗器有無)
吊戸棚収納機能(通常開き扉/手動上下稼働式収納/電動上下可動式収納)  
レンジフード
(換気扇)
種類(壁付け換気扇/ブーツ型レンジフード/フラット型レンジフード)
機能(自動掃除機能有無)
ガスコンロ
IHコンロ
種類(置き型コンロ/ビルトインコンロ)
形状(1口/2口/3口/グリル有無)
トッププレート素材(ホーロー/フッ素/ガラストップ/色)
水栓種類種類(ハンドル水栓・レバー水栓)
機能(浄水器有無/タッチレス水栓センサー有無)
シンク素材(ステンレス/人工大理石/人造石クオーツストーン)/排水機能/水切り機能
食洗器なし/置き型食洗機/ビルトイン食洗機
照明なし/キッチン天井照明/キッチン手元灯照明
キッチン用電源なし/キッチンパネル面コンセント/キッチン内壁面コンセント/照明器具コンセント

  

◎下記キッチンリフォームのコラムを合わせてご覧いただけたら幸いです。
2020年キッチンリフォーム ~比較・注目ポイントのご紹介~
 https://handyman.jp/column/80320

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

0気になる商品リスト
気になる商品リスト

気になる商品リストを作成すると、商品名の記入の手間なくお問い合わせができます。

No商品名
気になる商品リストは空です
この商品について問い合わせする