外壁の塗装をアクリル塗装にするのは実は大きなデメリットがあります。その一番のデメリットは耐久性が劣ることです。 アクリル塗料とは?アクリル塗料は、室内用の塗料としては一般的に使われますが、直射日光や風雨にさらされる外壁に使われることは今では少なくなっています。ただし価格が最も安い塗装のため長期使用を考えない用途では問題なく使えます。やがて取り壊す仮設の板塀であったり、別の色に塗り替える予定のある外壁などはむしろ安価なアクリル塗装のほうがいいこともあります。 なお、耐久性の目安としては、アクリル塗装の場合、5年程度かそれより若干伸びる程度です。紫外線の強い南方の地方であるとか、悪条件の重なる状況であれば、もっと劣化が早くなることもあります。残念ながら、工事費が安価だから何度でも塗り替えれば良いということにはなりにくいものです。塗装のたびに塗料代だけでなく、足場代や塗装工賃が発生し、結局は割高になりがちです。しかも、塗膜にヒビ割れやメクレが発生し、見栄えの悪い時期を多少なりとも経験することになります。 ただし、アクリル塗料にはもちろんメリットもあります。価格が最も安いことは既に述べた通りですが、色彩が鮮やかで艶のある仕上がりになり劣化が進行しないうちは見事な見栄えになります。塗装作業が簡単で、水性のタイプであれば、さらに作業性が優れます。 しかし、これらのメリットは、アクリル塗料の改良版であるシリコン塗料にも概ね該当することで、アクリル塗料でなければ実現できない比類ない特性とまでは言えません。若干高価ですが耐久性の良いシリコン塗料は、アクリル樹脂に塗膜強化剤としてシリコン成分を加えたものなのです。 結局、確実にメリットと言えるのは、低価格であることに尽きます。ですが、低価格であることは大変な魅力であるわけで、耐久性を考えなくても良い場合、この塗料は選択の第一候補になり得ます。 アクリル塗装を行った場合の相場アクリル塗装の施工代の相場は、材料工賃込みで、1平米当たり1000円前後から1300円程度です。これは、ウレタン塗装やシリコン塗装に比べ、確かに割安感があります。ただし、耐久年数で割った数値では割高感が出て来るのでこちらも注意が必要です。塗料の種類別で見積もりを取った場合、その金額を予想される耐久年数で割ってみて、1年換算の費用で比較してみることは、賢い判断基準になるでしょう。 塗装代は、足場設置の費用が大きく影響する場合がありますので、現場ごとに個別に計算する必要があり一律なことは言えません。塗料には様々なタイプがあり、それぞれにメリットとデメリットとがありますので、目的や用途を考え、用意できる予算を考えたうえで、下地の種類や状態を見ながら最適の塗料を選ぶことになります。 また、長期間の内に塗替えなければならない回数が増えるということは、そのたびに面倒なことを考えねばならないことになり、できることなら回数を減らしたいものですね。アクリル塗料は、その点で選択したくない種類に該当しますが、1回分の塗装代が安くなる利点が生かせる場合これを積極的に選ぶことができます。その時々の事情に合わせ、柔軟に考えるべきものですから目的や条件に合っていさえすればそれが正解なのです。 ただし、アクリル塗料を選ぶことが正解になる場面は、意外に多いかもしれません。その証拠に、はっきりしたデメリットがあるにも関わらずこれまで多くの方に利用されてきて、現在も大いに売れています。目的や価格に応じて、使い分けられた結果がこの売れ行きとみて間違いないでしょうから、総合的に判断してアクリル塗料を選ぶことも充分にメリットがあります。 耐用年数と塗装する環境、足場代や塗装工賃の有無には十分注意して塗装を行ってください。 |
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