前回のコラムで、塗装会社の選び方として建物の劣化診断の技術はしっかりしているか?の確認方法について記載いたしましたが、今回は、第2回として基準塗布量の順守について解説をさせていただきます。 そもそも基準塗布量とは普段は聞きなれない言葉かと存じますが、今回ご検討されている塗装の各メーカーから販売されている塗料には、㎡あたり何キログラム以上必ず使用してくださいという明確な規定値があります。 これが基準塗布量であり、この規定値を下回れば当然薄塗りということになり、メーカーの試験データのような耐候性が発揮されないということになります。 ※メーカーのカタログにはこのように基準塗布量の記載がかならずあります。(使用量のところが基準塗布量になります。) また世の中には安かろう悪かろうという言葉があるかと存じますが、私たちの業界では安かろう薄かろうという特殊な言葉があるほど、きちんと管理をしていないとまだまだ薄塗が蔓延していると言われているのが現状の業界です。 例えばお客様から、安くやってほしいとご要望があった場合、ご予算に合わせて薄く塗ってしまえばそれなりの美観で工事を完了することもできるのですが、本来メーカーの規定する膜厚をきちんと守らずに塗っているため、どんなに良い塗料だとしても、薄く塗ってしまっては5年もすれば色褪せが始まります。 ただここで厄介なのが、塗ったときにはきれいに仕上がるため、薄く塗られたかどうかが一般の方ではわからないということです。 平米計算証明書を提出してもらう。メーカーの基準塗布量から必要な缶数を算出するのに、そもそもの建物の面積やメートルの計算を間違えてしまっては、元も子もありません。 そのため、もし建物のお図面があれば、現場調査時に実際と差異がないか確認をしたうえで、添付画像のようにどのように面積やメートルを算出したかがわかる平米計算証明書を出してもらうのがベストです。 ※当社で提出する平米計算証明書 またご自宅のお図面がない場合は、図面を作成してもらい同様の計算書をもらうのがベストですが、仮に手計算だとしても、あとで見返すことができる根拠づけであれば良いかと存じます。 提出された見積に必要缶数の記載があるか?ここが大事なポイントです。もしこれからお客様が契約をしようするお見積りに基準塗布量から割り出した必要缶数の記載がなければ、薄塗りされたとしても、そもそも契約自体が曖昧のまま取り交わしがされてしまっているので、簡単に業者に逃げられてしまいます。 ※添付画像は缶数が記載されていない悪い見積項目の記載例 そのため見積には必ず基準塗布量から割り出した必要缶数が何缶なのか?がわかるものを塗装会社に提出してもらう必要があります。 ※当社のご提出するお見積書例 必要缶数を算出し表記 工事完了報告書に使用缶数の撮影があるか?先に述べた2つのことができていて信頼して契約をしたとしても、現場の品質管理がダメで薄塗りされてしまって意味がありません。そのため、必ず工事完了後は、きちんと見積書の記載通りに塗料缶を使用したかの写真付き報告書をもらってください。 ※当社報告書事例 また契約する前には、そのような資料がきちんと作成した実績があるかどうか?その実績のある資料を見せてもらう。この確認が大事なポイントとなります。 上記の3つをきちんと実施できる会社に工事を依頼できれば、かなりの確率で工事を成功させることができます。お客様の大切な家をしっかりと守るためにぜひ実践してみてください。 |
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