少し前のことで恐縮ですが、2019年の年末に、長野県の上田市に行って参りました。 上田市は、昨年の台風により多くの被害が出た被災地です。
実は昨年末は、旅行などはせず、ゆっくり過ごそうと思っていたのですが、上田市が台風以降、ただでさえ復興に資金がかかるのに、観光客が減って打撃を受けていると耳にしました。 実際、毎年、年末年始の長野県内のホテルはどこもいっぱいで取れないときが多いのですが、調べてみると、多数の空室。 長野県人の血を引く、私達夫婦としては、行って少しでもお金を落としてこようと急遽思い立ち、上田市へ向かった次第です。
上田市で、台風の影響で一番大きかったのは、上田電鉄別所線の鉄橋崩落です。 千曲川の増水により堤防が削られ、橋脚ごと崩れ落ちてしまいました。 実際それを目の当たりにした時、模型の世界でしか見たことが無い状況に、ただただ唖然とし、写真など取るような心境になれませんでした。 復旧は来年の春までかかるそうで、多くの市民が不便な生活を強いられることになってしまいます。 朝日新聞デジタルより https://www.asahi.com/articles/ASMBQ6R8MMBQUOOB00W.html
その上田電鉄別所線は、鉄橋より先の城下駅からの区間では動いており、終点は別所温泉駅という、とても味のある駅になっています。 昔へタイムスリップしたような駅です
城下行きの方向幕は無く、たどり着けない上田行きになっています。 その昔の、旧車両。ザ・上田電鉄カラーです。
その、別所温泉に、「北向観音」という観音堂があります。 寺院は南向きが一般的ですが、北向観音堂は名前の通り北を向いています。 長野県で一番有名な善光寺のご本尊は、阿弥陀如来であり、極楽浄土に導いてくれるという来世に対してのご利益があります。 北向観音のご本尊は千手観音菩薩であり、災難、延命、病気治癒などあらゆる現世利益にご利益があります。 このことから、「現在」と「未来」のいずれかだけでは片詣りと言われており、両方をお詣りするのが良いとされてきました。 北向観音は裏善光寺とも言われることがあるのですが、実際には、現在と未来のいずれのご利益も頂戴するためにたまたま向き合っている善光寺と北向観音を両方ともお詣りするというのが正しいされています。
実は善光寺は、何度も数えきれないくらいお参りしていますが、北向観音は、ゼロ。 10年前に、夫婦で旅行した際に、北向観音に立ち寄ろうとした際、あまりの交通渋滞で、諦めてしまいました。 それからなかなか行く機会が無く、ついに今回、10年越しに訪れることができました!
堂々たる御堂。 隣に夫婦杉。 初詣の準備がなされていました。 これでようやく「現在」「未来」両方のご利益が得られました! 御朱印も頂戴しました!
北向観音の本坊は、常楽寺といい、ここから400m離れています。 そちらにももちろんお参りしました。 もちろん御朱印もいただきました!
そしてその常楽寺のお隣に、国宝の八角三重塔を持つ、安楽寺にも立ち寄りました♪ 安楽寺。すっごくいい雰囲気です♪ 最下層が裳階(もこし=ひさし)のため三重塔です。 木造の八角塔としては全国で一つしかないという貴重な建築です。 これは、建築に携わる者にとっては、見に来て良かった~と思えた建物でした! 御朱印も♪ こちらは釈迦如来です。
そして、もう1ヶ所立ち寄るべき寺院があります。 一路、車で、大法寺へ! こちらには、国宝の「見返りの塔」と呼ばれる、そのあまりの美しい姿につい振り返り眺めてしまうという三重塔と、日本最古の鯱があります。 見返りの塔。 写真が下手でした・・・ もっと見返り度高い感じで、美しいです。 古都、奈良や京都の建築の風貌です。
こちらのお堂の中の・・・
社の屋根の上に、日本最古の鯱が飾られています。 すみません、見づらいですね。。。 気になる方はぜひ直接見に行ってみてください(笑)
御朱印は4種類もあり、全種いただきました~
上田旅行、行ってよかった♪ かなり癒されました~
被害に遭われた方は、今、一生懸命立ち上がり元の生活に戻るため復興の努力をされています。 何もできない無力さと申し訳なさがありますが、素晴らしい土地を巡ることで微力ながら協力できたかと感じます。
上田市は、真田氏ゆかりの地。 真田の旗印の六文銭は、三途の川の渡し賃と言われています。 決死の覚悟である、という意気込みが伝わるところからこの家紋にしたと言われていますが、真田武士はちょっとやそっとじゃ倒れません。 千曲川を船ではなく、新しい橋で渡れる日が一日でも早く来ることを願います。 上田の方、どうか頑張ってください。
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嘉生 智昭