先日、ある用事で、父方の実家へ行って参りました。 嘉生家の本家になります。
伯父が板金屋で棟梁だったために、この地域一体は全て、伯父が葺いた屋根なのです。 長野の雪深い地域のため、トタンや金属屋根の家がほとんどです。
私も少年の頃、夏休みに遊びに行ったとき、よく板金仕事の手伝いをしていました。 雪国の家は、積もった雪を避けるために、基礎が高くなっています。 2階建てでも地上から屋根までの高さはかなりのもので、さすがに屋根の上は怖かったな・・・ ※基礎を高く上げて、入口の玄関も高い位置にあります。 雪が積もっても出入りができます。 そのため、この本家もそうですが、基礎の高さを利用した地下室がある家も多いです。 屋根は、雪を落としやすい金属材が使われています。 雪国の建物の工夫ですね。
そんな伯父は、実はだいぶ昔に亡くなり、板金屋は廃業となっています。 ただ、作業場はずっと今でも残っており、当時の想い出に浸りながら見ていると、伯父や何人もの職人さんが、忙しく作業している姿が目に浮かんできました。 ※庭向こうに立つ作業場。当時は忙しく職人が出入りしていました。
不要な作業場でも、嘉生家の一族にとっては、いつまでも残しておきたい想い出の建物なのです。 |
嘉生 智昭