災害時、あなたの自宅はどんなリスクがある?
台風、大雨、浸水、地震、火山噴火まで、様々な自然災害があります。
災害大国である日本、世界におけるマグニチュード6.0以上の大きな地震のうち、20%が日本で発生していたという情報もあります。
どのような災害においても、「まずは自分の命を守り、怪我をしないこと」が重要です。
いつ起きるかわからない災害、自分がどこで被災するかと考えた時、一番過ごす時間が長く、可能性が高いのはご自宅かと思います。
『もし自宅にいる時に発生したら』を考えることが、自分の、ご家族の命を守ることの第一歩につながるかと思います。
建築基準法に基づく、現行の耐震基準は、昭和56年(1981年)6月1日以降の建物は『新耐震基準』と呼ばれる基準に基づいており、
『震度5強程度では、ほとんど損傷せず、震度6強~7程度で倒壊・崩壊してないこと』を耐震性として要求されています。
その後も、2000年には木造住宅に関する改正も行われているように、時代が進むにつれて、震災を受けることで、より厳しい基準の改正が行われ続けています。
もちろん、新耐震基準以降の建物にお住まいであれば、より安心かとは思いますが、あくまで、『建物自体の耐震性』であり、室内が揺れない訳ではありません。
『安全な自宅』を実現する為には、室内における耐震対策も必要となります。
そこで、本コラムでは、災害のうち、特に地震による震災に関して、ご自宅のリフォームで出来ることをご紹介させて頂きます。
*より詳しい防災対策に関しては、参考URLなどのサイトにて合わせてご確認頂けたら幸いでございます。
室内耐震対策をチェックしよう!
大地震による震災において、負傷者のうち約30~50%は家具類の転倒・落下・移動によるもの、次にガラスの飛散と言われています。
その為、室内の耐震対策で特に重要とされるのが下記内容です。
(1)家具固定について
(2)キッチンの収納・家電・調理器具の固定について
(3)窓ガラス飛散防止について
以下、各項目の詳細をご紹介していきます。
(1)家具固定について ~震災負傷者の約30~50%は家具類によるもの~
大地震による震災において、負傷者のうち約30~50%は家具類の転倒・落下・移動によるものと言われています。
また、家具類がストーブに倒れることで火災の原因になったり、避難経路を塞ぐことで避難の妨げになる可能性もあります。
特に、中高層・高層階のマンションにおいては、戸建て住宅や低層階の住居と比べて、「長周期地震動」が発生して、より長時間、大きな揺れが続くとされています。
家具はそのまま倒れてるだけでなく、前後に揺れて歩くような動きをすることもあります(ロッキング移動)。
特に、寝室の寝ている時に、枕元に倒れてくるような危険な配置になっていないか、避難経路や出入り口をふさぐ位置に家具が置かれていないかが重要なポイントとなります。
家具の固定に関して、最も有効なのは、『断捨離をして、室内に危険になるような家具を置かないこと』です。
①本当にその家具は必要かを考えて、なるべく部屋(特に寝室)に家具を置かない。
②クローゼットやウォークインクローゼットなど、備え付けスペースに収納する。もしくは増設する。
③その上で、必要な家具には固定を行う。
家具固定に関して、L字金具を壁にビスで打ち込み固定することが最も効果的と言われていますが、
壁下地の木部分(間柱)へ打ち込む必要があります。
様々な固定方法があります。詳細な内容に関しては、下記サイトをご参考頂けたら幸いです。
【参考URL】
東京消防庁 家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-bousaika/kaguten/handbook/
総務省 消防庁 家具の転倒を防ぐには
https://www.fdma.go.jp/publication/database/kagu/
(2)キッチンのリフォームで、キッチンの『耐震力』を高めよう!
冷蔵庫や電子レンジ、調理器具や食器類、包丁など、様々なものが収納されているキッチンは危険に溢れています。
冷蔵庫や食器棚の固定は家具同様に徹底して行うべき対策です。
その他、特に見逃しがちなのは、キッチンのキャビネット収納。普段使わない食器類や調理器具を入れがちですが、何も対策を取らなければ全て落ちてくるものと考えてください。
調理中の場合は熱湯や油の入った鍋、収納内の食器や調理器具など、火傷やケガをする可能性が高く、火災の原因になる可能性も高い場所です。
震災後、ガスは自動的に停止することになっていますが、キッチンのガスコンロの周りに可燃物が多く置いてある場合、引火して火災の原因にもなります。
その為にもキッチンにおいては、可能な限りキッチントッププレート上に置かず、収納に収めることが重要な対策になります。
最も危険になる冷蔵庫や調理家電などの固定を行うことで、可能な限り安全なキッチンスペースを実現出来ます。
限られたキッチンスペースの収納力を最大限に高めることで、不要なものをキッチンまわりに置かずに済み、震災時に扉が開かないような工夫をしておくことで物が落ちてくる危険を減らすことが出来ます。
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Handymanコラム;2020年キッチン リフォーム 比較・注目ポイントのご紹介~
(3)窓ガラスのリフォームで、『ガラス飛散』を防ごう!
家具転倒の次に負傷者の多いのが、ガラスの飛散と言われています。
地震の影響で、特に「単板ガラス」と呼ばれる、1枚ガラスの窓は、ペアガラスや網入りガラス、防災対策ガラスと比べて、窓全体がとがった破片として飛散しやすいです。
特に、夜間の震災の場合、停電により足元は暗くなるため、とがったガラス破片に気づかずに踏んでけがをする可能性があります。
窓ガラスの種類を検討することで、減災対策につながります。
集合住宅など、窓ガラス交換が出来ない建物の場合は、飛散防止シートの貼り付けのほか、内窓を設置することでガラス飛散防止の役割を果たせる可能性もあります。
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以上、震災に向けてリフォームで出来る、防災減災対策についてご紹介させて頂きました。
災害発生時に、最も重要な「命を守り、怪我をしないこと」を、リフォームを行うことでリスクを減らすことが出来るかもしれません。
普段の生活も快適するだけでなく、震災時の対策としても、リフォームをご検討頂いてはいかがでしょうか。
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【参考】 省庁・都道府県からの防災関連情報
(1)住まいの地域・土地 における自然災害のリスクチェック
・国土交通省 ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/
(2)避難経路を考える
・避難場所情報(各都道府県・市区町村の避難場所情報をご確認ください)
(3)災害へ備える
・東京都防災ホームページ
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/index.html
・首相官邸 災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html
・農林水産省 備蓄実践アイディア
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/attach/pdf/guidebook-3.pdf
・埼玉県 大地震に備える3つの取り組み
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0401/bousaitaisaku/documents/01_jijo20160620.pdf
・埼玉県 家具の固定方法
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0401/bousaitaisaku/documents/h2702kagukoteileaflet.pdf
・埼玉県 減災グッズ
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0401/bousaitaisaku/documents/checkristbousaiguzzu.pdf