「得意料理は何ですか?」
そう聞かれたら、迷わずこう答えます。
スパゲティ・ナポリタン!
世界中の誰よりも美味しいかどうかは分かりませんが、
少なくとも自分の舌にとっては、これ以上ない完成形です。
ナポリタンという料理は、不思議な存在です。
家庭的で、どこか素朴で、少しチープ。
それなのに、ふとした瞬間に無性に食べたくなる。
だからこそ、ほんの少しの工夫で、味ははっきりと変わります。
赤ワインは「後入れ」しない
私のナポリタン作りで、いちばん大事にしているのが下準備です。
ソーセージ、タマネギ、ピーマン。
この定番の具材を、炒める前に30分ほど赤ワインに漬け込みます。
ポイントは、ワインを後から入れないこと。
後入れにしてしまうと、ワインの主張が強くなり、
ナポリタンらしい素朴さから少し外れてしまいます。
あらかじめ漬け込むことで、
具材の中にワインのコクだけが静かに入り込み、
炒めたときに、深みのあるリッチな味わいが残ります。
ケチャップに、ほんの少しの牛乳
味付けは、もちろんケチャップです。
ここで、牛乳をほんの少し加えます。
これだけで酸味の角が取れ、
味が一気にまろやかになります。
主張しすぎないけれど、確実に違いが出ます!
仕上げのバターが、記憶を呼び戻す
最後はバターを投入。
スパゲティにしっかり絡めて仕上げます。
立ちのぼる香りに、
昔、デパートの上階にあったレストランを思い出します。
銀色の皿に盛られた、少しだけ特別だったナポリタン。
派手ではないけれど、なぜか忘れられない。
そんな懐かしさの記憶が蘇る一皿になります。
自分がいちばん美味しいと思える味を、ただ突き詰めました。
それが、世界で一番の自分好みのナポリタンです!
