在来浴室(タイル張りの浴室)の ”浴槽のみ交換” を行いました。
浴槽のみ交換は手間とコストがかかる為、通常は今後の使用を考えてユニットバスへの交換をお勧めします。
今回は以下の理由から、浴槽のみ交換にて対応致しました。
■何度もご依頼いただいているお客様の為、連携がとりやすい状況
■賃貸に出すお家で可能な限り予算を抑えたいという要望
■既に浴槽撤去済みで、商品の選定や施工方法が明確
現地調査時の写真です。
タイルは割れやすい為、解体してみるまでタイルの補修範囲が分からない事が多いですが、
今回はお客様にて浴槽が撤去済みだった為、
大まかな補修タイルの枚数や床下の高さなどが事前に分かりました。
施工計画
基本的には既存と同じタイルは無く、類似品にてタイル補修となります。
最低限どこまでのタイル補修が必要か、
新たに入れる浴槽サイズと照らし合わせながら計画していきます。
浴槽交換は搬入経路が重要
ユニットバス全体の交換では、入り口のドア枠まで解体撤去します。
ドア枠を壊す為、新しい浴槽を搬入する際のスペースに問題はありません。
”浴槽のみ” 交換の場合は、傷をつけずに新しい浴槽を設置するスペースが確保できるかが重要です。
大まかな規格のサイズはありますが、浴槽によって深さや形状が違う為、
搬入できるサイズで、こちらに設置可能な商品の選定を行います。
特に、水栓金具やシャワーが干渉してしまう事もある為、水栓などの出幅も注意が必要です。
既存追い炊き管の確認も重要
給湯器から浴槽に繋がっている管には、下記3つがあります。
①ゴムやPVCなどのホース系
②架橋ポリエチレンパイプなどの樹脂管系
③銅管などの金属管系
浴槽のみ交換で特に注意が必要なのは③の ”銅管などの金属管系” です。
既存と新規浴槽では形状が変わる為、追い炊き管を新規浴槽に再度つなげる際に、
以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
■管の長さが足りない
■金具の取付が甘く、浴槽との設置面から水が漏れる
■管劣化による破損
全て、金属管がゆえに管自体の柔軟性が無いことが原因です。
”銅管などの金属管系”の場合は、①か②に交換が必要です。
いよいよ設置
タイル屋さんにて、余分なコンクリートブロックを解体していきます。
続いて、新規浴槽の寸法に合わせて、土台を作っていきます。
今回は既存壁タイルと同じ厚み寸法のタイルがありませんでした。
お客様にて壁にDIY用のバスパネルを施工されたいとのことで、
壁は平らにすることを優先して、特別に一部モルタル仕上げにしています。
浴槽のみ交換の場合、給湯器からの追い炊きの穴を現場にて開ける必要があります。
今回は強化プラスチックである “FRP素材” の浴槽だった為、穴あけが容易に出来ました。
これがステンレスや人工大理石などになると、穴あけの道具の種類が変わります。
最後にコーキングを打って完成です。
今回は、特殊な浴槽のみ交換のケースをご紹介いたしました。