こんにちは。
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。先日、お客様のご自宅に新しい神棚を大工さんが設置した際のお話しです。
■「ちょっと大きいかも…?」お客様のひと言と、大工さんのこだわり
設置された立派な棚板は110cmの幅で、神具も余裕をもって並べられる見事な神棚でした。
設置後、お客様がこんなふうにおっしゃいました。
「思っていたよりも大きいですね。うちにはちょっと大きすぎるかも…?」
確かに、間口も奥行きも十分にあり、現代の住宅では少し存在感のあるサイズです。
でもその後、お客様が続けて話してくれました。
「実はこのサイズ、大工さんが最初から決めていたみたいなんですよ。」
その言葉を聞いて、なぜこのサイズにこだわったのか気になり、後で調べてみることにしました。
■ 調べてわかった、神棚の寸法に込められた意味
神棚の基本寸法とされるのが、間口3尺6寸5分(約110cm)× 奥行き1尺2寸(約36cm)。
一見ただの伝統的なサイズに見えますが、実はそこに深い縁起と信仰の意味が込められていました。
▲ 神棚の基本寸法。365日・12ヶ月・1日の祈りを表す縁起の良い構成
- 間口 3尺6寸5分(約110cm)= 365日(1年)を象徴
- 奥行き 1尺2寸(約36cm)= 12ヶ月(1年)を象徴
- (高さ 1寸)= 1日を象徴(諸説あり)
■ 数字に込められた“祈り”の文化:数霊思想
日本には昔から、数字に霊的な意味を持たせる「数霊(すうれい)」という考え方があります。
- 3 = 調和・安定
- 6 = 円満・和合
- 5 = 中庸・バランス
つまり、3尺6寸5分という数字は、単なる測定値ではなく、暮らしを整える「祈りの数」でもあるのです。
■ まとめ:神棚の寸法は、1年分の感謝を形にしたもの
見た目では「ちょっと大きい?」と感じられるかもしれませんが、実はそれが、365日・12ヶ月・1日という1年をまるごと包み込む祈りのサイズ。
こうした背景を知ると、神棚の存在が少し特別に感じられますよね。
大工さんがこの寸法に迷いなく決めた理由にも、深く納得しました。
これから神棚を設置される方や、お札や神具を並べる際にも、「寸法の意味」を少し意識してみてはいかがでしょうか。